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2011年7月

2011年7月30日 (土)

涼風家シネマクラブ■明日へのチケット

監督/エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチ
キャスト/カルロ・デッレ・ピアーネ、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、シルヴィア・ドゥ・サンティス、ほか
2005年/イギリス・イタリア合作/110分

 三人の共同監督による長編映画で、大まかに三部構成にはなっているものの、一本の長編としてまとまってもいる。
 ローマに住む教授は、顧問をしているオーストリアの製薬会社の会議に出るため出張していたが、帰りの飛行機が全便欠航となり、列車で戻ることになった。製薬会社で自分の秘書代わりになっていろいろな手配をしてくれた女性にほのかな恋心を抱く教授。ローマに向かう列車の食堂車で、彼女宛のメールを書くのだが…。教授の周囲の乗客の様子、教授の思いなどが交錯する、まさに列車での旅を実感する最初のエピソードだ。
 次に登場するのは、年配の女性と青年。ヒステリックで図々しい女性の命令に従う青年は、兵役奉仕なのだという。が、女性のあまりの態度に、青年は姿を消してしまう。目的の駅でひとり取り残される女性の寂しそうな姿…。
 最後に登場するのはイングランドからサッカーの試合観戦に来た3人の若者。しかしひとりが切符を失くしてしまい、大騒ぎ。食堂車で知り合ったアルバニアの少年が怪しい、とひとりが言い出すのだが…。
 ヨーロッパを縦断する列車を舞台に、さまざまな人々のさまざまな顔が描き出される感動作品。この映画を観ることで、観客もまた同じ列車で旅をしているような感覚を味わうだろう。

2011年7月29日 (金)

涼風家シネマクラブ■ゴジラ対ヘドラ

監督/坂野義光、特殊技術/中野昭慶
キャスト/山内 明、木村俊恵、川瀬裕之、柴本俊夫、ほか。
1971年/日本/85分

 ある意味、昭和ゴジラシリーズを代表する一本。
 前作でも取り上げられた公害などの問題はますます人々のあいだで強く意識され、ついにはヘドロの中から怪獣が登場するに至った。
 また海を汚されたことで、再びゴジラも登場。その意味では原水爆実験によってゴジラが東京を破壊したのと同じ行動原理が働いているように見えるのだけれど、結果的にはヘドラを倒しただけで海を汚した人間に対してはなんらアクションは起こさない。
 本作で坂野義光は監督デビューしており、本編のほか特撮部分の演出も手がけている(特殊効果は中野昭慶)。
 原水爆実験より身近になった公害という問題をテーマにした点では評価してもいいと思うのだが、演出のテンポはいいとはいえず、また柴本俊夫演じるところの青年の存在もどこか中途半端。さらに放射能熱線で飛行してしまうゴジラに至っては言葉がない。
 佐原健二や平田明彦、田崎 潤など、これまで何らかの役で出演してきた俳優陣は本作で一新されているのだが、これもそれまでのシリーズ作品と印象を変えている理由かもしれない。

2011年7月28日 (木)

涼風家シネマクラブ■僕は天使ぢゃないよ

脚本・監督・音楽/あがた森魚
キャスト/あがた森魚、大瀧詠一、横尾忠則、桃井かおり、緑 魔子、ほか

 あがた森魚というミュージシャンのことはご存じだろうか。「赤色エレジー」という曲でデビューし、それが大ヒットしたフォーク系のシンガーソングライターだ。「赤色エレジー」は、林 静一という作家が「ガロ」という雑誌に連載したマンガのイメージソングともいうべきもので、音楽のつぎにあがたが試みたのは「赤色エレジー」の映画化だった。それがこの『僕は天使ぢゃないよ』なのである。
 制作は70年代初頭で、クレジットには74年の作品となっている。また劇場公開が91年で、およそ15年にわたって自主上映がつづけられていた作品なのだ。
 90年前後にはレコードがCDになり、古い音源が次々に復刻されていた時期とも重なり、あがた森魚のアルバムもCDとして復刻されていた。じつは彼の音楽自体もこのころ聞くようになった。当時は「雷蔵」というバンドで活動していて、これもなかなかいい感じであった。
 林 静一の『赤色エレジー』はアニメーターのカップルの同棲生活を描いた青春ドラマで、そのラストシーンが非常に印象に残る。あがた森魚による『僕は天使ぢゃないよ』も『赤色エレジー』を原作としてはいるのけれど、あがた森魚なりのアレンジというか、原作を下敷きにした別の物語になっていて、いうなればもうひとつの「赤色エレジー」なのである。そして時代を超えて心に響く、懐かしさと新しさを持っている作品だ。

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2011年7月27日 (水)

涼風家シネマクラブ■ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃

監督/本多猪四郎、特技監修/円谷英二
キャスト/矢崎知紀、天本英世、ほか。
1969年/日本/70分
※東宝チャンピオン祭り第一回作品

 公害や鍵っ子、団地といった当時の現風景が盛り込まれた作品。また本作では主人公である少年の夢の中に登場する怪獣たちということで、ゴジラが街を破壊するようなシーンはない。さらに、円谷英二が病気療養中だったため特撮シーンの多くは過去の作品(南海の大決闘とゴジラの息子など)から流用している。このため実際は1度しか登場していないエビラやカマキラスなどの認知度が上がっているのではないかという気がする。
 いじめられっ子の主人公の成長物語としてよくまとまっているし、夢に登場するミニラとの友情もなかなかいい。
 強いて言うなら、前作のインパクトが強かったためなのだろうが、本作のタイトルはいかにも…という気がしていただけない。

2011年7月23日 (土)

涼風家シネマクラブ■恋人たちの失われた革命

監督・脚本/フィリップ・ガレル
キャスト/ルイ・ガレル、クロティルド・エスム、エリック・ルリヤ、ジュリアン・リュカ、ニコラ・ブリデ、ほか。
2005年/フランス/182分

 本作はモノクロで撮られた3時間に及ぶ作品である。
 時は60年代末。フランスにも学生運動の荒らしが吹き荒れていたころ。詩人を名乗る、主人公のフランソワは革命を信じ、兵役を逃れて学生運動に加わっていたのだが、やがてその革命も、自分が信じたようなものではなくなっていき、フランソワは仲間が集まる館で、ドラッグに溺れる日々を送るようになる。
 そこで出会った彫刻家を目指すリリーという女性と出会い、ふたりは恋に落ちていく。
 映画の構成は複雑で、時に映し出されたシーンが、フランソワの幻覚や夢であったりもする。
 フランソワが出入りし、半ば住み着いている館は、同時代のアメリカであればヒッピー仲間が集まるような場所だろうか。絵描きや詩人といった芸術家を自称する若者たちが集まり、阿片などのドラッグで自己を開放していく。
 最初は、詩を書き、革命を信じて生きるフランソワが自由奔放に見えたが、しだいに彫刻家という具体的な夢を持っているリリーの方が自由に生きていることに気づかされる。フランソワとの恋愛においても、ほかにセックスしてみたい男が現れると、恋人であるフランソワに「彼と寝てもいい?」と聞いたりする。

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2011年7月21日 (木)

涼風家シネマクラブ■恋に落ちる確率

監督/クリストファー・ボー
キャスト/ニコライ・リー・カース、マリア・ボネヴィー、クリスター・ヘンリクソン ほか。
2003年/デンマーク/92分

 ザラついた画面。70年代のフィルムのようだ。そして突然映し出されるクローズアップ。巧妙な台詞回しと撮影で、いつのまにか映画の中に引き込まれる。
 主人公はコペンハーゲンに住むカメラマンのアレックス。シモーネという可愛い恋人がいるのだが、別の女性の夢を見た…と友人に告白する。
 ヒロインはアイメは小説家の夫の公演に付き添ってコペンハーゲンに滞在していたが、夫が仕事でホテルを空けている間、ひとりで街に出てアレックスと出会うことになる。
 アレックスが夢で見た女性がアイメだったのかはわからない…だがアレックスはアイメにひと目惚れし、シモーネを捨ててまでアイメとの愛に生きようとするのだ。
 出会ったふたりが一夜を過ごしたあと奇妙なことがアレックスを襲う。これは夢なのか、あるいはアイメの夫が書こうとしている小説なのか…、映画を見ているものは混乱の中で、アレックスとアイメの恋の行方から目が離せなくなる。

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2011年7月20日 (水)

涼風家シネマクラブ■怪獣総進撃

監督/本多猪四郎、特技監督/有川貞昌、特技監修/円谷英二
キャスト/久保 明、田崎 潤、小林夕岐子、土屋嘉男、ほか。
1968年/日本/89分
※「ゴジラ電撃大作戦」と改題して短縮版が公開されている。

 いろんな意味で昭和ゴジラシリーズを代表する作品と言っていいのではないだろうか。
 まずタイトルがすばらしい。このタイトルを超えるものはまだ出ていないような気がする。
 第1作「ゴジラ」から数えて東宝の怪獣映画20作品目ということで、11体の怪獣が登場する豪華な作品である。
 小笠原諸島に作られた怪獣ランドに、ゴジラを始めこれまで地上を荒らした怪獣たちが集められ管理されている。が、突然その怪獣ランドに異変が起こり、怪獣たちが世界各地で暴れ始める。それは小惑星群からやってきたキラアクという宇宙人の仕業だった、というもの。
 高温の中でないと生きられないことから富士火山帯に基地を置くキラアク。そのこともあってか、どうも『地球防衛軍』と印象がダブってしまっている。

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2011年7月19日 (火)

涼風家シネマクラブ■恋する日曜日/私。恋した

監督/廣木隆一
キャスト/堀北真希、窪塚俊介、高岡早紀、岩本千波、ほか
2007年/日本/97分

 高校生のなぎさは、母親を1年前に癌で亡くしていましたが、自分も母と同じ病気だと知り、父に「あと、どれくらい生きられる?」と聞きます。そして残された時間で「会いたい人」に会いに行くのです。
 なぎさが訪れたのは、3年前まで住んでいた町。海の近いその町の思い出の場所を巡りながら、子供のころから仲のよかった年上の聡の家に泊めてもらうことになるのです。
 今は廃品回収の仕事をしている聡の仕事を手伝いながら、思い出の場所でお昼を食べたりしながら、子供のころの話をし、なぎさが聡に対して感じている気持ち、聡がなぎさをどう思っているかなどをさりげなく描いています。
 そして交流のなかった3年のあいだに、聡に年上の恋人ができていたことを知るなぎさ。そしてその恋人には子供と夫がいることを知り、口では聡を応援しながら、割り切れない気持ちを抱えていくのです。
 自分が癌だと知り、残された時間に限りがあると感じたとき、あなたならどうしますか?
 なぎさは、漠然とした聡への想いを確かめるために会いに行き、自分の気持ちを確信するのです。
 とはいえ、この映画は主人公やその周囲の大事な人が死んでしまうというものではありません。

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2011年7月18日 (月)

涼風家シネマクラブ■怪獣島の決闘 ゴジラの息子

監督/福田 純、特技監督/有川貞昌、特技監修/円谷英二
キャスト/高島忠夫、久保 明、前田美波里、平田明彦、土屋嘉男、佐原健二、ほか。
1967年/日本/86分

 ある意味ゴジラシリーズの中で最も異色な作品。ゴジラの子供が誕生するという点だけいえば、ゴジラも生物であるから疑問はないが、生まれてきた子供が息子(オス)、ゴジラがお父さん(オス)というのはどういう根拠なのか?(笑)。というより生殖に重要なメスの存在はどうなっているのだろうか。
 さらにいってしまえばミニラも放射能光線を吐くのだが、ミニラはいつ放射能をあびたのだろうか。設定段階での矛盾が気になる作品ではある。
 この作品、劇場公開時には観ておらずテレビ放送があったかもしれないがそれも観なかったので、ずっと見逃していた作品だった。
 もっともゴジラの息子として登場するミニラがどうしても好きになれず、どちらかいえば「観なくてもいい」作品という位置づけだった。とはいえゴジラ映画の一本であることには変わりはないので1度観てみたいというのはあった。
 この作品で登場するのはミニラのほか、カマキラスとクモンガという昆虫怪獣で、どちらもこの作品がデビュー。ただ巨大な昆虫というだけなのだがインパクトは強かったようだ。もっともネーミングのよさもあったのかもしれない。造形もよく、子供たちの身近な昆虫が巨大な姿となってスクリーンに登場したことで注目を浴びたのだろう。

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2011年7月16日 (土)

涼風家シネマクラブ■イースタンプロミス

監督/デヴィッド・クローネンバーグ
キャスト/ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル、ほか。
2007年/イギリス・カナダ/100分/[R-18]

 助産師のアンナが働くロンドンの病院に身元不明の女性が運び込まれてくる。女性は出産間近だったが胎盤剥離で出血していた。緊急手術で子供は助かったが、女性は亡くなってしまう。
 アンナは女性のカバンに入ってたロシア語で書かれた日記を頼りに身寄りを探そうと試みる。というのもアンナ自身、父親がロシア人で、ロシア人の伯父もロンドンに暮らしていた。とはいえアンナ自身はロシア語が読めない。日記にはさまれていたロシア料理店の名刺を手がかりに、女性の身元を探そうとしたのだが、そのロシア料理店の経営者こそが悪名高きロシアン・マフィア「法の泥棒」のボスだった。

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2011年7月15日 (金)

涼風家シネマクラブ■ゴジラ エビラ モスラ 南海の大決闘

監督/福田 純、特技監督/円谷英二
キャスト/宝田 明、渡辺 徹、伊吹 徹、水野久美、平田明彦、ほか。
1966年/日本/87分

 南太平洋で漁船が遭難し、それに乗っていた兄を探すため、弟は奔走するが政府機関は動いてくれない。たまたま知ったダンス大会の商品がヨットであることからその会場に行ってみるが、すでに参加することはかなわず、参加していたふたりの大学生と知り合い葉山のヨットハーバーまで連れて行ってもらう。そこで見かけたヨットに無断で乗り込んでみると、すでに乗っていた男に「不法侵入だ」と脅かされ、とりあえず一泊させてもらうことになる。が、大学生と男が起きてみるとヨットは港を離れ沖に出ている。兄を探そうと弟が勝手に出航してしまったのだ。ヨットは世界一周を計画していた人物の所有で、ヨットに乗り込んでいた男は、実は金庫破りだったことがわかる。
 船の知識がない3人は弟に指示されるまま南へと向かうが、荒らしに巻き込まれ遭難。なんとか島に漂着するが、そこは「赤い竹」という集団が武力で何かを計画しているところだった。
「赤い竹」は近くのインファント島の住民を拉致しては、労働力としていたが、そこから逃げ出したダヨという娘と弟たちは合流し、岩山の洞窟に逃げ込む。そこにはゴジラが眠っていた。
「赤い竹」の島の近海にはエビラと呼ばれる巨大なエビの怪獣がいて、海上を通る船を襲っていた。最初に遭難した漁船に乗っていた兄はインファント島に漂着して助かっていたこともわかる。

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2011年7月14日 (木)

涼風家シネマクラブ■ある子供

監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
キャスト/ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ、ジェレミー・スガルド、オリヴィエ・グルメ
2005年/ベルギー=フランス/95分

 20歳のブリュノ。彼は毎日、仲間と盗みをして暮らしている。恋人のソニアとのあいだに子供が生まれたが、父親になった実感のないブリュノは、盗品を売りさばくように、自分の子供を売ってしまうのだった。
 18歳のソニアは、ブリュノから子供を売ってしまったことを聞かされ、ショックで倒れてしまう。警察にブリュノを告発し、子供を取り戻そうとまでする。
 ブリュノは、自分のしてしまったことでソニアを傷つけたことを知り、ことの重大さに気づき、子供を取り戻すのだが生活はあいかわらずで、年下の仲間を使って盗みを繰り返す。
 そんなブリュノに見切りをつけ、子供とふたりで生きていこうとするソニア。
 ブリュノは、へまをして警察に捕まった仲間に面会するため、出頭し、自分の罪を認め、服役することになる。そして服役中の彼に、ソニアが面会に来た…。

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2011年7月13日 (水)

涼風家シネマクラブ■怪獣大戦争

監督/本多猪四郎、特技監督/円谷英二
キャスト/宝田 明、水野久美、ニック・アダムス、久保 明、ほか。
1965年/日本/94分
※73年に「怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ」と改題して短縮版が公開されている。

 木星の裏側に発見された新惑星Xの調査のため、ふたりの宇宙飛行士が飛ぶ。そこには人類よりも進んだ科学文明を持ったX星人がおり、キングギドラのために地上での生活ができないため、地球のゴジラとラドンをX星に運び、ギドラを駆除したいという。
 X星人の科学力によって眠っていたゴジラとラドンは運ばれていき、地球の驚異がなくなったとホッとしいると、逆にギドラが地球を襲い、すべてはX星人の陰謀だったことが判明する…。
 いまでも人気のあるX星人のコスチュームと、それを着込んだ水野久美を見るための作品…と言ってしまってはオーバーか。
 本作ではゴジラが、当時流行していた「おそ松くん」のギャグ「シェー」をすることでも有名。

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2011年7月12日 (火)

涼風家シネマクラブ■アメリカンギャングスター

監督/リドリー・スコット
キャスト/デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、キウィテル・イジョホォー、ジョシュ・フローリン、ほか
2007年/157分/アメリカ
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンよりDVD発売

 1960年代後半。ニューヨーク・ハーレム地区の黒人ギャングのボス、パンピーが死んだ。彼の運転手だったフランク・ルーカスは、事実上の右腕だったが周囲ではそうは見ていなかった。ボスが死んだあと、バラバラになろうとする黒人ギャング社会をまとめたのはフランクだった。彼はベトナム戦争で米軍が現地の麻薬に溺れているというニュースを見て、ベトナムの米軍を利用して純度の高いヘロインを密輸し、純度の低いヘロインよりも安値で売り出したのだった。表向きはクラブのオーナーであり、派手なこともせず警察にマークもされることなく商売は順調に伸び、田舎から家族や親類を呼び寄せ組織の中核としていく。それはパンピーの元でイタリアマフィアなどとかかわりながら学んだことだった。
 同じころ警官のリッチー・ロバーツは賄賂(わいろ)を受け取らない潔癖さがたたって仕事を干されていた。そこに麻薬特別捜査官の任務が与えられる。仕事に没頭するあまり妻との離婚を余儀なくされ、女癖もよくないリッチーだが、正義のために戦う姿勢は賄賂目当ての悪徳警官たちとは雲泥の差だった。

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2011年7月11日 (月)

涼風家シネマクラブ■三大怪獣 地球最大の決戦

監督/本多猪四郎、特技監督/円谷英二
キャスト/夏木陽介、小泉 博、星由里子、若林映子、ザ・ピーナッツ、ほか。
1964年/日本/93分

 キングコング、モスラとくれば、残るはラドンということで本作がラドンのゴジラ作品デビュー。またシリーズを通しての悪役怪獣キングギドラのデビュー作でもある。
 セルジナ国の王女が日本に向かっている途中、乗っていた飛行機が空中爆発。暗殺の噂もある中で、王女ただひとりが生き残り、金星人を自称して日本のあちこちで人類に対して警告を続ける。
 なにごともなく日本に着いていればボディーガードをするはずだった進藤は、金星人を自称する王女が記憶を失っていることを突き止める。また、同時にセルジナ国の暗殺者集団も王女を狙って日本にやって来ていた。
 金星人の警告通りゴジラやラドンが目覚め、各地を破壊しながら両怪獣は激突。

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2011年7月 9日 (土)

涼風家シネマクラブ■あの夏の子供たち

監督・脚本/ミア・ハンセン=ラブ
キャスト/キリア・カゼッリ、ルイ=ドー・ド・ランクザン、アリス・ド・ランクザン、ほか。
2009年/110分/フランス

 パリの街並みから始まるこの映画は、続いて主人公である映画プロデューサー家族の父親の姿へ移っていく。
 彼はどこにいても映画関係者や会社のスタッフからの電話の応対に追われているような状態。まさに多忙な日々を過ごしている。反面、週末には家族でパリ近郊の別荘で過ごしたりと、家族への愛情も注いでいる。前半はそんな彼の日常と家族の姿が描かれていくが、同時に彼の映画会社が資金面で窮地に立たされているということもわかってくる。そしてすべてに行き詰まった彼は…ひとりで自殺してしまうのだった。
 そう、この映画は残された妻と3人の娘…家族の物語なのだ。
 莫大な借金を負っている会社を存続させるのか、制作途中の映画だけでも完成させたいと奮闘する妻。しかし長女はそんな母に「お父さんと同じ」と批判的な目を向ける。

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2011年7月 8日 (金)

涼風家シネマクラブ■モスラ対ゴジラ

監督/本多猪四郎、特技監督/円谷英二
キャスト/宝田 明、星 由里子、小泉 博、藤木 悠、佐原健二、ほか。
1964年/日本/89分

 ゴジラシリーズ2作のあとにカラーで制作されたのが『モスラ』で、『ゴジラ』に匹敵するヒット作となった。キングコングのあとにゴジラと対決する相手としてモスラが選ばれたのはそういう事情もあっただろう。
 台風の影響による山崩れで、インファント島の地中からモスラの卵が海に落ち、そのまま日本の海岸まで漂流してきてしまう。その卵を手に入れ観光施設の目玉にしようとする興行主と、卵をインファント島に返そうとする新聞記者と学者の対立のなか、ゴジラが登場して卵に危機が迫る。

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2011年7月 7日 (木)

涼風家シネマクラブ■アダン

監督/五十嵐 匠 脚本/松山善三
キャスト/榎木孝明、古手川祐子、木村文乃、村田雄浩、加藤 剛、ほか
2005年/日本/139分

 幼少のころから天才といわれながら、画壇の重鎮と折り合いが悪く、その作品が日の目を見ることもなく、50歳で奄美大島に移住し、69歳で亡くなるまで、絵を描くことに執念を燃やした孤高の画家・田中一村。この映画は彼の生涯を描いたものである。
 タイトルでもある「アダン」とは、奄美大島に自生する、パイナップルに似た実をつける植物で、一村が愛したモチーフのひとつ。そして風景や植物をスケッチする一村の周囲に現れる、不思議な少女に、一村がつけた名でもある。
 ただ絵を描くだけの一村を支えた、姉の献身的な姿、陰ながら一村を応援する美術学校当時の友人・荒木。一村姉弟を見守る医師・住友など、さまざまな人々が、一村の才能を認め、彼の創作を支え続けていく。
 例え画壇が認めなくとも、自分が納得のできる絵を描くのだ、と奄美大島に移住して、自然を相手に筆を取る一村。その情熱は榎本の熱演もあって、胸に迫るものがあるだろう。

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2011年7月 6日 (水)

涼風家シネマクラブ■キングコング対ゴジラ

監督/本多猪四郎、特技監督/円谷英二
キャスト/高島忠夫、佐原健二、藤木 悠、浜 美枝、若林映子、有島一郎、平田明彦、ほか。
1962年/日本/97分

 ゴジラシリーズ第3作目はカラーで制作された。
 この作品は東宝映画30周年記念作品のひとつであり、海外からキャラクター使用権を入手したキングコングとの共演でもある。
 前2作の重苦しいテーマから一転した娯楽作品として制作されてもいて、有島一郎演じる製薬会社の広報部長がコメディリリーフとして活躍している作品でもある(あらためて観てみると、その後の田代まさしの演技って有島一郎を意識していたのですね、きっと)。
 第2作で北海道の沖の小島で氷詰めになったゴジラは北極海の氷山の中で目覚める。一方製薬会社が提供するテレビ番組の視聴率を上げるため、取材班は赤道付近のファロ島に魔神の存在を求めるが、それがキングコングだった。

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2011年7月 5日 (火)

涼風家シネマクラブ■アイガー北壁

監督・脚本/フィリップ・シュテルツェル
キャスト/ベンノ・フュルマン、フロリアン・ルーカス、ヨハンナ・ヴォカレク、ウルリッヒ・トゥクールジーモン・シュヴァルツ、ほか。
2008年/127分/ドイツ・オーストリア・スイス合作

 この映画はひと言でいえば山岳ものです。と聞くと地味なイメージだったり、なんとなく興味が薄れたりするかもしれません。正直この映画を見る前、自分自身がそうでした。けれど映画が始まって少しすると、もうその世界に引き込まれていて、最後まで食い入るようにスクリーンを見つめていた、そんな感じだったのです。
 時代はナチスが政権を握っていたころのドイツ。アイガー北壁という、いまだ登頂に成功したことのない険しい山の征服を目指して、登山家が挑むというまさに山岳映画なのですが、そこには人間ドラマあり、手に汗握るスリルあり、と派手なアクション映画以上に目の離せない物語が展開していくのです。
 またこの作品は実話を元にして作られていて、登場する登山家などは実在した人物たち。またそれ以上に迫力ある映像で、まるで自分が主人公たちといっしょに登山しているような気になってしまいます。

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2011年7月 4日 (月)

涼風家シネマクラブ■ゴジラの逆襲

監督/小田基義、特技監督/円谷英二
キャスト/小泉 博、千秋 実、若山セツ子、土屋嘉男、志村 喬、ほか
原作/香山 滋 
1955年/82分/日本

 第1作の続編である本作品も香山滋の原作。
 第2作『ゴジラの逆襲』では、舞台を大阪に移したということだけで、あまりドラマ的な奥行きが出せなかったように思われる。東京に続いて大阪の街が二大怪獣の格闘で破壊されてしまうと、あっさりと舞台は北海道に移ってしまったりもする。もっともゴジラを大阪に登場させたのは東宝側に興行主からのりクエストがあったともいう。とはいえ千秋実らの演技によって映画としての重みは保っていた。また、本作品もモノクロで制作された。
 第1作ではゴジラによって破壊された東京に、大空襲の記憶をダブらせた。本作では小泉、千秋らが0戦パイロットであったという設定から、まだ戦争が終わったばかりの時代だったことを感じさせる。
 光に対して敏感で、光をみると凶暴性を増すというゴジラの生態は、第2作では水爆の記憶を呼び起こすからではないかとも推察されている。主に夜行性でもある。

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2011年7月 2日 (土)

涼風家シネマクラブ■BOY A

監督/ジョン・クローリー
キャスト/アンドリュー・ガーフィールド、ピーター・ミュラン、ケイティ・リオン、ほか
2007年/イギリス/107分

 ひとりの青年が、新しい名前を名乗って新しい人生を始めようとしている。彼を支え励ますひとりの男の助けを借りながら、青年はどこにでもいるひとりの青年として生きていこうとするのだ。
 かつて青年は「BOY A」と呼ばれた。少年A、つまり未成年の犯罪者だったのだ。それも世間の注目を集める極悪な事件の犯人だった。
 長い刑期を終え、未成年だった少年は成人し、社会に戻ることになったが、マスコミはかつての事件を掘り起こし、青年の行方を探し始めるのだった。
 ひとりの暮らし、仕事、恋愛…いままで経験したことのなかった世間一般の出来事に触れながら、青年は過去の自分に決別しながらも、親しくなっていく周囲の人々に、本当のことを打ち明けたいという気持ちと戦うことになる。
「それは絶対にだめだ」
 話してしまったらすべてが終わってしまうとわかっている男は、青年に過去の自分といまの自分は違う人物なのだと諭す。
 しかし…。

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2011年7月 1日 (金)

涼風家シネマクラブ■ゴジラ

監督/本多猪四郎、特殊技術/円谷英二
キャスト/宝田 明、河内桃子、平田明彦、志村 喬、ほか
原作/香山 滋
1954年/97分/日本

 日本が世界に誇るムービースターと言っても過言ではない「ゴジラ」の第1作である。
ある映画の企画がだめになり、急遽作られたという経緯があることは知られていると思うが、そんなことを感じさせない重厚な作品になっているのが第1作の『ゴジラ』と言っていいだろう。
 すでにアメリカ映画などで登場していた巨大モンスターというモチーフをいただいてきたり、当時ニュースを賑わせていた核実験を取り入れたりと、話題性もあったと思うが、本作は大ヒットし、すぐに続編の制作が決まったようだ。そして制作から50年以上経ったいま観ても色あせていない。
 巨大な怪獣が東京を壊滅させる、と第1作を乱暴に表現してもかまわないと思うが、それ以上にゴジラの登場をめぐって展開される人間ドラマがじっくりと描かれていることにいまさらながら感心する。
 本作は映画がモノクロで制作されていた時代であり、同時に戦争の記憶も鮮明な時代でもあった。ゴジラに破壊された東京はさながら空襲のあとの風景のようでもあり、被害者やけが人が運び込まれた病院も戦時中のそれを想起させるに十分だったろう。

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