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2011年10月11日 (火)

涼風家シネマクラブ■クリムト

監督・脚本/ラウル・ルイス
キャスト/ジョン・マルコビッチ、ヴェロニカ・フェレ、サフラン・バロウズ、ニコライ・キンスキー、ほか。
2006年/オーストリア・フランス・ドイツ・イギリス合作/97分

 19世紀末のウィーン。「エロス」の画家クリムトがいた。
 仏アールヌーヴォーとしても代表的な画家のひとりであるクリムトは、しかし、裸体を大胆に描いたことで批判もされていた。また、モデルに触れないと描けないというタイプで、当時ウィーンには彼の子供が30人いたと言われる。
 晩年は梅毒に冒されながらも制作続けた。クリムトの描く妖艶な女性たちは、現在多くのファンを魅了している。
 映画では、クリムトが一定の評価を受けたあと、フランスで賞を貰うものの、故郷ウィーンでは酷評を受ける当たりからその死までを描いています。クリムトの幻想のような謎の人物や、その存在そのものがあやふやな謎の美女、美術界の勢力争いなどが、幻想的なウィーンの街を舞台に描かれていきますが、どこまでが現実で、どこからが幻想なのかわからなくなってしまうようなところがあって映画に酔ってしまうような感じになる作品です。クリムトという人物や19世紀末美術に詳しければ、また違った鑑賞の仕方もできるでしょうが、それほど詳しくないという方は、映像の美しさに見とれるだけでいいかもしれません。
 97分という上映時間に比べて、その内容は濃く、2時間以上の作品を見たような充実感があります。それには、現実のウィーンとクリムトの幻想の中のウィーンというふたつのウィーンが交互に、時には交差して描かれているからかもしれません。映画の中でクリムト自身がどこにいるのかわからなくなっていく、なにをしているのかわからなくなっていくように、観ているわたしたちもそこがどこなのか、現実なのか幻なのか、判断が付かなくなっていくような、ある種のトリップ感に浸っていくのです。
 裸体の女性像に、大胆な金箔や日本様式の装飾を取り入れたクリムトの絵画。19世紀末の絢爛なウィーンの街やファッションと共に、現代のわたしたちの目は幻想的な世界のように感じてしまうのかもしれません。クリムトの夢と現実の世界をたっぷり楽しんでください。

「微熱」06年11月号掲載

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