2016年7月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 涼風家シネマクラブ■好きだ | トップページ | 涼風家シネマクラブ■気まぐれな唇 »

2012年4月10日 (火)

涼風家シネマクラブ■弓

監督/キム・ギドク
キャスト/チョン・ソンファン、ハン・ヨルム、ソ・ジソク、ほか。
2005年/韓国/90分

 海の真ん中に、古い船が一隻ぽつんと浮かんでいる。船には老人と少女が暮らしていた。
 船は、海釣りのポイントとして、釣り人に知られていて、老人は毎日釣り人を案内してくることで生活しているらしかった。
 釣り人の中には、そのような船に似つかわしくない、美しい少女の存在に驚くと共に、イタズラしようとするものもいる。が、そんなとき釣り人の間近には弓矢が放たれ、肝を冷やすことになる。
 そう、老人は少女を守るために自慢の弓を使うのだ。
 弓はまた、占いにも使われる。船の側面に描かれた観音像の前を、ブランコに乗った少女が行ったり来たりしているところに、老人が弓を放つ。少女に当たらないよう、観音像に命中させた弓で運勢を占うのだ。この占いも、老人と少女のあいだに信頼があるからこそできるものだろう。周囲にはわからないふたりの絆がそこにはあるのだ。
 少女は6歳のころに、老人がどこからか連れてきたという。16歳になったとき、老人と少女は結婚するのだという。少女は船の上で長い時間を過ごし、外の世界を知らない。老人との生活がすべてだった。
 そんなとき、ひとりの青年が釣り人に混じってやって来た。歳の近い青年に、心ひかれる少女。そのときから何かが変わっていくのだった。
 老人の、青年に対する嫉妬、少女の心変わりに対する焦りといったもの、また少女の老人に対する想い、青年に対する恋心などが、一切のセリフのないままに描かれていく。いや、セリフがないのは老人と少女だけだ。まるで言葉が話せないのかと思うほどにふたりは無言だが、そういうわけではない。
 老人は弓に弦を張り、韓国二鼓のようにして音楽を奏でる。これが老人の、少女に対する言葉でもあるようだ。
 青年によって、船を離れる決意をした少女。そして老人は少女を失いその命を断とうするのだが…。
 この世の中に永遠の愛はあるのだろうか。そして永遠の生命はあるのだろうか。そんなことを考えさせる映画である。

「微熱superデラックス」06年10月号掲載。

« 涼風家シネマクラブ■好きだ | トップページ | 涼風家シネマクラブ■気まぐれな唇 »

洋画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1533253/44648406

この記事へのトラックバック一覧です: 涼風家シネマクラブ■弓:

« 涼風家シネマクラブ■好きだ | トップページ | 涼風家シネマクラブ■気まぐれな唇 »

フォト

涼風家(すずかぜや)の電子書籍

  • ブクログのパブー