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2014年9月20日 (土)

涼風家シネマクラブ■イオセリアーニに乾杯

涼風家シネマクラブ■イオセリアーニに乾杯

オタール・イオセリアーニ映画祭

『素敵な歌と船はゆく』『月曜日に乾杯!』の監督、オタール・イオセリアーニの特集上映が、この初夏始まる(注・雑誌掲載当時)。
 今回公開されるのは初監督作品の『四月』に『歌うつぐみがおりました』『蝶採り』『群盗、第7章』の劇場初公開4作品と『素敵な歌と船はゆく』『月曜日に乾杯!』の大ヒット2作。
 イオセリアーニ作品というのは日本ではほとんど知られていなかったのだが、カンヌやベルリン、ヴェネチアといった映画祭では数々の賞をとっており、ヨーロッパを中心に世界的に高い評価を受けているという。あいにく海外に知り合いもいないし、海外における映画事情に詳しい友人もいないのでハッキリしたことはわからないが、作品を観た印象としては日本よりはヨーロッパでウケるというのはうなずける。
 というのもイオセリアーニの演出というのは、多くが群像劇的で、始めから終わりまで決まった主人公を中心に話が進むという形をとらない。決まった主人公がいても、途中で登場する人物にスポットを当て、別のエピソードが語られたりする。ハリウッド的なエンタテインメントとは違うベクトルを持ったこれらの作品は、いきなり見せられるとなにがなんだかわからないという混乱を招くだろうが、逆にイオセリアーニ独特の語り口に慣れてくると「次はなにが起こるのか」と期待してしまう。日本の監督でいえば鈴木清純の作風に近いかもしれない。
 デビュー作『四月』はセリフをほとんど使用せず、効果音と音楽によってストーリーを進行させるという試みがなされ映画としての面白さを改めて感じさせてくれる。もちろん内容的にも物質文明をチクリと批判していているところがイオセリアーニらしい。
 全作品を通じて、音楽、特に歌と美術・骨董が必ず取り上げられていて、画面の美しさということだけでも楽しめるのだが、キャスティングでも自宅の近所に住む知り合いといった素人俳優を起用したり、監督自らが出演したりと複数の作品を見ることで、より監督の世界になじんでいくことができる。これはもちろん作品そのものではなく遊びの部分での楽しみなのだけれど、「あ、またこの人が出演してる」という楽しさがイオセリアーニ作品なのである。
 イオセリアーニ作品にはある種の癒しがある。それを充分に味わってほしい。

「微熱」04年 月号掲載






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