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2014年10月 1日 (水)

新作紹介■ニンフォマニアック/Vol.1 Vol.2

涼風家シネマクラブ■ニンフォマニアック NYMPH()MANIAC Vol.1,Vol.2

監督・脚本/ラース・フォン・トリアー
キャスト/シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカルスガルド、ステイシー・マーティン、シャイア・ラブーフ、ほか。
2013年/Vol.1 117分、Vol.2 123分/デンマーク・ドンツ・フランス・ベルギー・イギリス

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『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でカンヌ映画祭パルムドールを受賞したトリアー監督の、「色情症」の女性主人公の半生を描いた、ある意味攻撃的な作品。
 というのも内容の大半がセックスシーンといってもいいからだ。
 ストーリーは、ある路地裏で倒れていた主人公ジョーを、通り掛かった初老の男性セリグマンが助け、救急車も警察もいらないというジョーを自宅に連れて行き手当てをし、彼女の話を聞くところから始まる。
「きっとあなたには理解できない」というジョーに、とにかく話してみなさい、と促し、ジョーの長い回想の物語が始まる。
 Vol.1では子供時代から20代のジョーの物語が語られ、性に目覚めたころから初体験、そして性の快楽に溺れていく姿が描かれる。
 回想の途中で現在のジョーとセリグマンの会話が挟み込まれながら、時には渓流のフライフィッシングにジョーの男漁りを対比してみたり、エンタテインメントとしても十二分な仕上がりとなっている。
 Vol.2では監督の主張が前面に出てくる印象があり、ともすれば性の快楽に溺れることをマイナスのイメージで捉えがちな我々に、ジョーのセリフを用いて、性に対する認識を新たにさせてくれる。そう、ジョーはセリグマンと会話を始めたときには自分のことを「悪い人間だ」とも語っていたのだが、回想の中でカウンセリングを受けていた彼女は、カウンセラーに対して「自分は自分」とニンフォマニアである自分を肯定して見せるのだ。
 そのほかにも、回想に登場した黒人を「ニグロ」と呼んだことにセリグマンが異議を唱えると「言葉狩りが民主主義をだめにする」と言わせてみたり、幼児愛好者が登場すると、犯罪に走るものは一部にすぎない、ほとんどの者は妄想の中で抑制しているのだと言わせる。
 性に奔放な女性を主人公におくことで、性の問題だけではなく社会全体の問題を、いま一度根本から問い直してみようというのが本作の根底に流れるテーマなのではないかとも思われる。

 本作のような内容を、女性がどう受け取るのか、ちょっと気になる。と言うのも男性向けのメディアでは本作のような内容を含んだ作品は、例えばコミックなどにも見ることができるのだが、女性向けのメディアでは思いつかなかったからだ。強いて言えば竹宮恵子の『風と木の詩』だろうか。だからといって女性向けではないと言っているわけではない。ぜひ多くの女性に見ていただきたい映画であるのは確かだ。

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※Vol.1は2014年10月11日より、Vol.2は11月1日より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー公開。

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