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新作紹介

2015年4月30日 (木)

新作紹介■THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦

涼風家シネマクラブ■THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦

監督・脚本/押井 守
キャスト/筧 利夫、真野恵理菜、福士誠治、太田莉菜、堀本能礼、田尻茂一、しおつかこうへい、藤木義勝、千葉 繁、森カンナ、吉田鋼太郎、高島礼子、ほか。
2015年/94分/日本

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 2014年4月から上映が開始された、実写版『パトレイバー』の到達点として、本作長編劇場作品『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』はある。
 ストーリーは劇場版アニメ『パトレイバー2』の後日談となっていて、東京を舞台としたテロに特車二課のメンバーたちが立ち向かっていく姿を描いている。…というよりもアニメ版『パトレイバー2』を実写にしたといった方がわかりやすいだろうか。
 設定上はアニメ版の主要キャラクターたちの跡を継いだメンバーで構成されいるわけだが、性格的にはアニメ版のキャラクターを当てはめたものになっており、アニメ・コミックをそのまま実写にしたということではないのだが、事実上キャラクターのイメージは同じとなっている。
 その代表的な例が筧 利夫が演じる隊長の後藤田だろう。前任である後藤警部補の後輩という設定だが、容貌も性格も後藤をイメージしている。
 また今回の作品では、顔ははっきりとは映されないものの、南雲しのぶが登場している。もちろん声は榊原良子だ。これはアニメ版のファンにも嬉しい演出だろう。と共に、この実写版がアニメ版から続いているものだということを印象づけてもいる。
 今回実写版オリジナルのキャラクターとして登場しているのは、高島礼子が演じる公安の女性警部補。登場直後は『パトレイバー』の世界観に高島礼子が似合うのか多少不安な気持ちになったのだが、観終わってみれば高島礼子抜きには語れない作品と言っても過言ではないほど、高島の存在感は大きい。役どころとしては、表立って動けない公安から、特車二課を上手く使う「ずるい女」というところなのだが、アクションシーンも様になっており、『攻殻機動隊』の素子がもう少し年齢があがったような印象すらある。あるいは押井監督にもそういうイメージがあったのかもしれない。
 アニメ版『パトレイバー2』がそうであったように、今回の作品でもレイバー自体の活躍は終盤のみである。実写版のレイバーの活躍を期待していると、ちょっと残念な気持ちになるかもしれない。しかし、見せ場はあるのでじっくりと鑑賞していただきたい。
 実写版『パトレイバー』シリーズも、これで完結ということになるわけだが、テロリスト側として登場し、その正体が不明なまま姿を消した灰原 零というキャラクターもいて、そこはかとなく続編の予感もある。とはいえ、まずは本作を堪能していただきたい。

2014年10月13日 (月)

新作紹介■TATSUMI マンガに革命を起こした男

涼風家シネマクラブ■TATSUMI

監督/エリック・クー
キャスト/別所哲也(声の出演/ナレーションほか6役)、辰巳ヨシヒロ
2011年/96分/シンガポール

Tatsumi


 本作はシンガポールで作られた日本語のアニメーション作品。原作は辰巳ヨシヒロの自伝的な作品『劇画漂流』と5本の短編作品で、辰巳の自伝に5本の短編作品を挿入するという構成。
 とにかく驚かされるのは辰巳の画がそのまま動いているということ。へんにアニメ用にキャラクターを変更したりすることなく、辰巳劇画の画風をそのまま使っているところに感心する。しかもそれが日本国内ではなく、海外で作られているのだから2度びっくりといったところだ。
 辰巳ヨシヒロは関西出身の劇画家であり、「劇画」という言葉を作った人物。もともとは関西の貸本漫画作家であったが、同郷の仲間たちとこれまでの漫画とは違うもの(児童向け作品ではなく大人も楽しめるシリアスな作品といった方がいいか)を目指し、「漫画」に変わる名称として「劇画」を考案。仲間たちと共に「劇画工房」を結成する(さいとう・たかをも参加していた)。
 これには一般書店で売られる児童向けマンガ雑誌と比べ、貸本漫画の内容が、子供に読ませるには不適切だという当時の批判から、対象読者は児童ではなく大人だという思いもあった(このあたりの細かいことは本映画ではあまり触れられていないし、語ると長くもなるので割愛する)。
 やがて貸本自体が衰退し、辰巳ヨシヒロも雑誌へと活躍の場を広げていく。本映画に取り上げられた5本の短編もそんな時期の作品だ。
 正直漫画が好きだ、漫画を読んでいるという人の間でも辰巳ヨシヒロという名前や作品はあまり知られていないのではないかという気がする。「劇画」の創始者ということもそれほど一般的には知られていないだろう。
 本映画のチラシには「日本だけ知らない」というコピーが入っている。まさにその通りだろう。ある程度の漫画マニアあるいは貸本漫画を読んでいた世代でないと辰巳ヨシヒロという名前や作品はなじみがないのは事実だと思う。
 だからこそ、本映画は多くの人に観てもらいたい。漫画・劇画好きな人はもちろんのこと、あまり興味がないという人にこそ観てほしいと思う。取り上げられた5本の短編作品が、日本の劇画の底力のようなものを感じさせてくれるだろう。

 本作品は2014年11月15日より「角川シネマ新宿」ほかでロードショー公開されます。

2014年10月 6日 (月)

新作紹介■ガンズ&ゴールド

涼風家シネマクラブ■ガンズ&ゴールド

監督・脚本/ジュリアス・エイヴァリー
キャスト/ユアン・マクレガー、ブレントン・スウェイツ、アリシア・ヴィキャンデル、ジャセック・コーマン、ほか。
2013年/109分/オーストラリア

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 オーストラリアを舞台にした作品で、独特の雰囲気が新鮮だ。
 主人公JRが刑務所に収監されるシーンから始まり、その中でブレンダンという男に出会う。刑務所の中のトラブルに巻き込まれたのをブレンダンに助けられ、出所後彼の脱獄を手助けすることになる。そしてJRはブレンダンと共に犯罪に手を染めていくことになるのだが…。
 金塊強奪という大きなヤマでブレンダンとJRその仲間たちは依頼主の裏切りにあってしまう。そして警察からも追われながらブレンダンとJRは金塊を取り戻すために計画を進めていく。
 親子のような関係の中で、ブレンダンとJRは時には意見を戦わせ、時には信頼し合う。しかし最後には…。
 フィルム・ノワールとはいえラストはさわやかな印象を持つ本作。ぜひご覧ください。

 本作は2014年11月1日、「シネマサンシャイン池袋」ほかロードショー公開されます。

2014年10月 5日 (日)

新作紹介■ポイントブランク~標的にされた男~

涼風家シネマクラブ■ポイントブランク~標的にされた男~

監督/チャン
キャスト/リュ・スンリョン、イ・ジヌク、ユ・ジュンサン、キム・ソンリョン、チョ・ヨジョン、ほか。
2014年/102分/韓国

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 映画冒頭から主人公が何者かに追われ銃撃されるという緊張感のある展開。すべてはこのファーストシーンの印象のまま進んでいく。というのもこの映画は36時間の中で起こる物語で、スピード感があるからだ。
 これは監督がミュージックビデオを多く手がけてきたという経歴を知ると納得できるところでもある。
 さらにはストーリーの深みも観る者を惹きつけていく。
 冒頭のシーンでは、主人公が犯罪者のように思えるが、物語が進んでいくうちに、本当の犯人は誰なのかという謎が生まれ、やがてそれは大きな陰謀の中に隠されていることがわかっていく。
 非常に抑えた演技が印象的なリュ・スンリョンは、あたかも高倉 健のようなイメージだ。物静かでありながら、ここという場面では的確なアクションを見せてくれる。
 また女性刑事として登場するキム・ソンリョンも印象に残る。上層部から捜査の任を外されながらも部下と共に犯人を追うタフな女刑事だ。
 本作に関してはちょっとしたことでもネタバレになってしまいそうな気がして多くを語れない。ぜひ本編をご覧いただきたい。損をしない、観て後悔しない作品である。

 本作は2014年10月11日よりロードショウ公開される。

2014年10月 4日 (土)

新作紹介■ザ・テノール 真実の物語

涼風家シネマクラブ■ザ・テノール 真実の物語

監督/キム・サンマン
キャスト/ユ・ジテ、伊勢谷友介、北乃きい、チャ・イェリョン、ほか。
2014年/121分/日本・韓国

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 2014年最高の感動作品と言ってもいいかもしれない。
 100年にひとりの天才とも称されテノール歌手として注目を集めた矢先、ベー・チェチョルは甲状腺ガンの手術の影響で声帯が麻痺し、歌声を失ってしまう。しかし日本人音楽プロデューサーの友情の下、声帯の手術、リハビリを越えて舞台に復帰していく。
 これは「NHKドキュメンタリー」にも取り上げられた真実の物語を映画化したものです。
 華々しい舞台の映像と失意に落ち込むベーとその家族という陽と陰の映像、そして友人として、一ファンとしてベーの歌声を再び取り戻そうと奔走する沢田幸司。もう一度舞台に立ちたいという願いの中で辛いリハビリに励むベーやそれを支える妻の姿に胸が熱くなります。
 沢田の会社に新入社員として入った美咲(北乃きい)も、社長である沢田に対して自分の思いを率直にぶつけながら、沢田とベーの友情を支えていきます(とはいえ、映画的にはヒロインが必要だったのでしょうけど、いなくてもよかった気がしてしまうのはボクだけでしょうか?)。
 ドイツ、韓国、そして日本と舞台を移しながら描かれる真実の物語は、クライマックスを迎え涙を誘わずにはおかないでしょう。

 本作は2014年10月11日より全国ロードショウ公開されます。
 また10月10日には、本作のモデルであるベー・チェチョルのコンサートが「東京オペラシティ」で開催されます。

2014年10月 3日 (金)

新作紹介■エクスペンダブルズ3 ワールドミッション

涼風家シネマクラブ■エクスペンダブルズ3
 ワールドミッション

監督/パトリック・ヒューズ
キャスト/シルベスター・スタローン、ハリソン・フォード、メル・ギブソン、アントニオ・バンデラス、ウェズリー・スナイプス、アールノド・シュワレツェネッガー、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ほか。
2014年/126分/アメリカ

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 ハリウッド、いやそれだけではなく世界的な映画界の大者たちが集結したアクション映画ということで話題をさらった『エクスペンダブルズ』。とうとうシリーズ3作目が公開されます。
 主演はもちろんシルベスター・スタローン。そしてアールノド・シュワレツェネッガーも共演。さらに今回はハリソン・フォードやメル・ギブソンといった大物が参戦しています。
 そんな大物=ベテランたちではありますが、見た目にもいささか年を召されたような印象が…。というのも本作でスタローン演じるバーニーはこれまでのチームを解散させ、次世代の新チームを結成してしまうのです。新たにチームに加わったのはジョン、ルナ、トール、ソーン、マーズの5人。それぞれケラン・ラッツ、ロンダ・ラウジー、ランディ・クートゥア、グレン・パウエル、ヴィクター・オルティスが演じていますが、5人中3人は元・現格闘家ということで、アクションシーンの迫力は抜群! 特に女性であるルナの格闘シーンは必見です。
 本作ではメル・ギブソンが、エクスペンダブルズ創立メンバーでありながら、ダークな道に進み、一度はバーニーに殺された、はずが生きていたという設定で、過去の因縁が絡んだストーリーが展開していきます。
 シャレた会話に派手なアクション。娯楽映画の決定版と言っていいでしょう。

 本作は11月1日よりロードショー公開されます。

2014年10月 2日 (木)

新作紹介■0.5ミリ

涼風家シネマクラブ■0.5ミリ

監督・脚本/安藤桃子
キャスト/安藤サクラ、織本順吉、木内みどり、坂田利夫、ベンガル、津川雅彦、角替和枝、浅田美代子、草笛光子、柄本 明、土屋希望、ほか。
2013年/196分/日本

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 監督自身の執筆による小説が原作の映画であり、3時間を越える大作。
 大まかに4つのエピソードで構成されているのだけれど、時間の長いこともあって4話のドラマを連続してみたような印象もある。
 主人公はヘルパーの女性、山岸サワ(安藤サクラ)で、ある事件に巻き込まれる形で失職し、問題のある老人の押しかけ介護をするようになる。出会う老人たちがそれぞれに問題を持っていて、それに関わっていくのだが、サワが積極的に関わるというよりは、淡々とその日常を観察していくような感じもあり、どこか楳図かずおの『おろち』を思わせる。
 キャストはベテラン俳優たちが集っているが、まあみなさんいい感じにお年をとられて…と思ってしまう。その中でも津川の存在感はやはり大きく、この映画の印象を左右しているだろう。
 介護とか老人という言葉が出てきた時点で、高齢化問題や福祉問題に切り込むような内容を想像されるかもしれない。もちろんそういった問題も含んではいるけれど、本作を見るときにはそういう先入観は捨てた方がいい。ただサワという女性の姿を追い、映画を観終わったあとで考えた方がいいと思う。
 実際、映画鑑賞後にさまざまなことを考えさせられた。その思いは人それぞれに違うだろうが、人の生きざまについて気づかされることがあると思う。

 主演の安藤サクラは監督、安藤桃子の実の妹。ロケは高知県で行われ、その環境にほれ込んだ監督は高知県に移住したという。

2014年11月8日より、有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー公開。

2014年10月 1日 (水)

新作紹介■ニンフォマニアック/Vol.1 Vol.2

涼風家シネマクラブ■ニンフォマニアック NYMPH()MANIAC Vol.1,Vol.2

監督・脚本/ラース・フォン・トリアー
キャスト/シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカルスガルド、ステイシー・マーティン、シャイア・ラブーフ、ほか。
2013年/Vol.1 117分、Vol.2 123分/デンマーク・ドンツ・フランス・ベルギー・イギリス

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『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でカンヌ映画祭パルムドールを受賞したトリアー監督の、「色情症」の女性主人公の半生を描いた、ある意味攻撃的な作品。
 というのも内容の大半がセックスシーンといってもいいからだ。
 ストーリーは、ある路地裏で倒れていた主人公ジョーを、通り掛かった初老の男性セリグマンが助け、救急車も警察もいらないというジョーを自宅に連れて行き手当てをし、彼女の話を聞くところから始まる。
「きっとあなたには理解できない」というジョーに、とにかく話してみなさい、と促し、ジョーの長い回想の物語が始まる。
 Vol.1では子供時代から20代のジョーの物語が語られ、性に目覚めたころから初体験、そして性の快楽に溺れていく姿が描かれる。
 回想の途中で現在のジョーとセリグマンの会話が挟み込まれながら、時には渓流のフライフィッシングにジョーの男漁りを対比してみたり、エンタテインメントとしても十二分な仕上がりとなっている。
 Vol.2では監督の主張が前面に出てくる印象があり、ともすれば性の快楽に溺れることをマイナスのイメージで捉えがちな我々に、ジョーのセリフを用いて、性に対する認識を新たにさせてくれる。そう、ジョーはセリグマンと会話を始めたときには自分のことを「悪い人間だ」とも語っていたのだが、回想の中でカウンセリングを受けていた彼女は、カウンセラーに対して「自分は自分」とニンフォマニアである自分を肯定して見せるのだ。
 そのほかにも、回想に登場した黒人を「ニグロ」と呼んだことにセリグマンが異議を唱えると「言葉狩りが民主主義をだめにする」と言わせてみたり、幼児愛好者が登場すると、犯罪に走るものは一部にすぎない、ほとんどの者は妄想の中で抑制しているのだと言わせる。
 性に奔放な女性を主人公におくことで、性の問題だけではなく社会全体の問題を、いま一度根本から問い直してみようというのが本作の根底に流れるテーマなのではないかとも思われる。

 本作のような内容を、女性がどう受け取るのか、ちょっと気になる。と言うのも男性向けのメディアでは本作のような内容を含んだ作品は、例えばコミックなどにも見ることができるのだが、女性向けのメディアでは思いつかなかったからだ。強いて言えば竹宮恵子の『風と木の詩』だろうか。だからといって女性向けではないと言っているわけではない。ぜひ多くの女性に見ていただきたい映画であるのは確かだ。

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※Vol.1は2014年10月11日より、Vol.2は11月1日より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー公開。

2012年6月21日 (木)

涼風家シネマクラブ/新作紹介■シャーク・ナイト

監督/デヴィッド・R・エリス
キャスト/サラ・パクストン、ダスティン・ミリガン、クリス・カーマック、ほか。
2011年/90分/アメリカ

 本作は凶暴なサメの登場するアクションホラー(?)作品。
 サメというと『ジョーズ』を思い浮かべる方も多い思うが、本作でも秘かに、そして素早く水中から迫ってくるサメの描写は『ジョーズ』のよう。また本作の特徴といえるのは、この凶暴なサメが、自然に発生したものではなく、サメに襲われる人間を撮影することで金を儲けようとする人間が背後にいるということだろう。
 舞台となるのは湖なのだが、塩水湖でサメも生息ができる。その湖の中にある島の別荘に、大学生たち男女6人が遊びに行くところからストーリーは始まる。この冒頭部分、能天気な大学生たちがお気楽に自由気ままに行動する雰囲気で、いかにもな感じがする。この手の作品の特徴ともいえるし、あえてそういう設定にもしたのだと思うが、ちょっとステレオタイプ過ぎる気がしないでもない。
 本作では沢山の種類のサメが登場する。これもこれまでの同様の作品と違うところだろう。単に巨大で凶暴なサメばかりではなく、体長20~30センチのサメが群れで襲うシーンなどもある。
 人がサメに襲われる画像を作っている男たちが登場するわけであるが、その映像を楽しんでいるらしいユーザーの姿が出てこなかったのはちょっと残念。人がサメに喰い殺される画像で儲けている人間の狂気だけではなく、それを見て楽しんでいる人間もぜひ映し出してほしかった気がする。
 とはいえ、いつのまにかハラハラドキドキな展開に引き込まれていてしまったりして、なかなかうまい演出をしているという印象を受ける。特に主人公的な位置にあるニックの行動はヒーロー的な要素もあって感情移入しやすいのかもしれない。

 本作は7月14日より、「日劇モンスターナイトカーニバル」にて公開されます。

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2011年9月29日 (木)

涼風家シネマクラブ/新作紹介■マーガレットと素敵な何か

マーガレットと素敵な何か

監督・脚本/ヤン・サミュエル
キャスト/ソフィー・マルソー、マートン・ソーカス、ミシェル・デュショーワス、エマニュエル・グリュンヴォルド、ジュリエット・シャベイ、ほか。
2010年/89分/フランス・ベルギー

 大人になるというのはどういう事を指すのだろうか、成長した自分とはどこで判断できるのだろう。
 たぶん誰でも子供のころになりたかったもの、憧れたものがあったはずだ。それが現実的なものか否かは別として、なりたかったもの、憧れたものになっている人はどれくらいいるだろう。ふと子供のころに書いたものを目にして「あのころはこんな事を考えてたのか」とくすぐったい気持ちになったりすることもあるだろう。本作の主人公マーガレットは、40歳の誕生日に、7歳のときに住んでいた村の公証人に依頼した未来の自分に向けた手紙を受け取る。
 かつて自分で書いたはずの手紙だが、すっかり記憶からは消え去っていて、まるで見知らぬ誰かから送られてきた手紙のようだ。しかしマーガレットは、都会で企業の最前線で働く自分が忘れてしまっていた何かを思い出していく。
 決して幸福ではなかった子供時代のことは忘れ、いまを精一杯生きていたマーガレットだったが、子供時代のピュアな夢や思いをいまこそ大事にするべきではないかと感じていく。そこには都会のドライな人間関係だったり田舎ののんびりした生活との比較だったりも描かれる。
 本当になりたかったもの、したかったことはなんだったのか、そんなことにも気づいていくマーガレットに、いまの自分を重ね合わせる人もいるだろう。ある意味自分探しであり、本当の自分を取り戻す映画でもある。
 ラスト近く、最後の手紙を読むマーガレットを見ながら、自分の中にもある「やりたいこと」が目を覚ましたような気がした。

 2011年10月29日より、シネスイッチ銀座ほかでロードショー公開。

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